「ユニコーン企業のひみつ」を読んだ
「ユニコーン企業のひみつ」を読んだので感想を書きます。
https://www.oreilly.co.jp/books/9784873119465/
ユニコーン企業のひみつ
大規模な成功を収めているテック企業(ユニコーン企業)は、スタートアップで機能していたテクニックをエンタープライズ企業レベルにまでスケールさせる方法を見いだし、日々実践しています。Amazon、Facebook、Googleなどは、何万人もの従業員を抱えているにもかかわらず、スタートアップのように働いています。本書はSpotifyでアジャイルコーチやエンジニアの経験を持つ著者がユニコーン企業のソフトウェアづくりと働き方を解説します。
ミッションによってチームに目的を持たせ、スクワッドに権限を与え、信頼する。カンパニーベットを通じて大規模な取り組みを調整する。このような働き方とそれを実現するための文化のあり方を解説し、複数チームが連携しながら質の高いプロダクトを早くリリースし、迅速に技術革新を行うための方法を学びます。
プロダクトのデリバリーにフォーカスする世界有数のテック企業の事例を紹介する本書は、デリバリープロセスやプロダクト組織自体を改善したいエンジニアやマネージャー、経営リーダー必携の一冊です。
どんな本?
アジャイルサムライの著者であるJonathan RasmussonがSpotifyで働いた経験をもとに、動きの遅い従来型のエンタープライズがどう変わっていけばよいかを指南した本です。
気になった点
エンタープライズ企業
細かいですが、「エンタープライズ企業」という日本語訳が「頭痛が痛い」のような重言になっているのが気になりました。「ユニコーン企業」と「エンタープライズ」だと対比している感が薄れるので「エンタープライズ企業」としたのかもしれませんが。。。
ユニコーン企業ではスクラムをやっていない
序文からいきなりキャッチーな書き出しで始まっており、Twitterでも少し話題になっていました。
エンタープライズではソフトウェア開発をプロジェクトとみなしており、最初に計画を立ててその計画通りに開発していくのにスクラムが使用されている(本文中の言葉でいうとスクラムチームは「野菜切り係」とみなされている)という前提があるようです。
プロジェクトで開発を進めず、学習を優先するのであれば特にスクラムでも問題ないのではと思いました。
この点については末尾の訳注で言及があり、やはり一概にスクラムが駄目という話ではないようです。
Spotifyの組織構造
Spotifyモデルは結局失敗したという話は聞いたことがあったのでちょっとモヤモヤしながら読んでいましたが、この点についても訳注で言及されています。筆者が在籍していた当時のスナップショットにすぎないというのは意識しておいたほうがよさそう。
全体を通して感想
企業文化・組織設計系の話は読むのは簡単だが実践が難しいんだよなーと思いながら読みました。
1-2時間ほどで読める程度のボリュームなので、気になった人は読んでみるとよいと思います。