「NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む方法」を読んだので、簡単な概要と感想を書きたいと思います。

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NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法 新版 | 日本経済新聞出版

暴力や対立、偏った物の見方を排し、対話を導く。世界60 カ国以上、100 万人超の人たちに読まれている「話し方」の教科書の最新版。/定価:本体1,900円+税

概要

人間には生まれながらにして他人を思いやる性質を持っているにも関わらず、言葉の使い方によってその思いやりが妨げられてしまう。 そこで筆者はNon Violent Communication(非暴力コミュニケーション)という、人を思いやる気持ちを引き出せるようなコミュニケーションの方法を考案した。

NVCは4つの要素から構成されている。

まず1つ目は観察。相手の行動について評価をまじえることなく観察する。

2つ目は感情。相手の行動を観察したときの自分の感情に注目する。

3つ目は自分が必要としていること。自分が何を必要としているから自分のその感情が引き起こされているのか自覚する。

4つ目は要求。自分が必要としていることを相手に対して具体的に要求する。

例えば、休みの日に家事を手伝ってくれない夫に対して妻は「休みの日くらい家事を手伝ってよ」というやや暴力的な言い方をしたくなってしまうかもしれないが、NVCの4要素を意識すると「あなたは休みの日はリビングのソファでのんびりすることが多くて基本的に私が家事をしているので(観察)、疲れ切ってしまうの(感情)。結婚生活は夫婦で協力しあってしていくものだと思うから(自分が必要としていること)。平日の仕事で疲れているかもしれないけど、食器洗いや洗濯物の取り込みを代わりにやってくれると嬉しい(要求)」という言い方をすることができる。

NVCでは、この4つの情報を言葉あるいは言葉以外の手段で表明することで、相手に抵抗感を抱かせたり自分の感情を犠牲にしたりすることなく、自分の人生を豊かにすることができる。

構成

本は大きく1-6章、7-14章の2部に分かれています(本の中で2部構成だと書いてあるわけではありませんが、読んでいて大きく2部に分かれているなと思いました)。

1-6章はいわば基本編で、NVCとは何か、暴力的なコミュニケーションにはどのようなものがあるか、NVCの4つの構成要素はどういうものかなどが説明されています。

一方7-14章は応用編で、NVCに則って自分が表現するだけではなく、NVCを使って他人に共感する、自分自身と向き合う、紛争を解決する方法について説明されています。

全部読んでいる時間が無いという方は1-6章の基本編だけでも読むとよいと思います。

感想

暴力的・非暴力的なコミュニケーションって何だろうと思いながら読み始めました。

暴力的なコミュニケーションについては、2章に「自らの心の底からの訴えを遠ざけてしまうコミュニケーション」としていくつか具体的な例が載っていて、自分も無意識のうちにそういう発言をしてしまっているかもしれないという例がたくさんありました。 2章で暴力的なコミュニケーションの例が載っていたおかげで、NVCを理解しようと後の章を興味を持って読み進められたと思います。

自分の感情を発言に含めるのはまだ抵抗がありますが、その感情を引き起こしている自分が望んでいるものを意識して、「〇〇であってほしいので××したほうがよいと思います」という言い方ができれば建設的に議論を進めることができると思うので、これからの生活に取り入れていきたいと思っています。